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「相変わらずデカい口だな」
呆れた声。
「ダイフクはいつも旨そうに食うな」
急に背後から声を掛けられギクリとする。
見ずとも相手は分かっている。
後ろから迫る圧迫感に恐々と振り返ると、眼鏡を掛けた仏頂面が見下ろしてきた。
出た。
またこの人だ。
「あー、腹減った」
ドスッと雑に、隣に座る。
それをただじっと見つめる。
「ほら」
そう言って私に掌を差し出してきた。
「……はい?」
「俺の分」
「いや、だからそれは……」
ここ数日同じやりとり。
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