第1章

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エリヤは行く先々で歓待された。 女神たちが授けた有形無形の祝福によるもので、特に美を司る女神アルラが授けたエリヤの美貌は際立っていた。 エリヤは10代の半ばにもまだ達しておらず、あどけなさも残していたが、同じ年頃の娘ばかりか、はるか年上の女たちさえ夢中にさせた。 エリヤは、そうした女性たちと恋に落ちることもあった。 ほとんどの場合、エリヤは相手の女性に一方的に言い寄られて付き合った。 しかし、本当の両親を探すという目的を持っていたエリヤが、1人の女性に固執することはなかった。 そのため、エリヤを巡って女たちが争うことも珍しくなかった。 中には、エリヤに恋焦がれながらも実らず、自ら命を絶つ者もいた。 エリヤを恋い慕う女が次々と現れる一方で、エリヤの周りから女たちが一人、また一人と消えていった。 「彼を愛する者は必ずや不幸になる」 嫉妬の女神ジギルの呪いからは、誰一人逃れることが出来なかった。 そんな有様だったので、一方でエリヤは大変に男たちの嫉妬を買った。 だが、女神たちから数多の祝福を受けたエリヤには、腕ずくで叶う人間の男は居なかった。
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