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『人間たちの食べ残しを手に入れよう』
チョコは考える。もう少し我慢すれば、彼らは食べ残しをごみ箱に捨てるに違いない。ゴミ箱をボクの鼻で見つけ出せば、美味しい食事にありつけるだろう。
チョコは眼を閉じて、もうすぐ手に入るご馳走を想像した。
想像の中ではカカオとココアも一緒にご馳走を食べている。
『ボクは彼らのために食事を手に入れた』
チョコは自分の想像に満足する。
『分ければご馳走が減るけれど、君たちは小さい。ご馳走は少しも減ることは無いさ』
自分の台詞の後にカカオとココアの礼の言葉が続く。
『それでいい。ボクは役に立つだろう?』
チョコはカカオに質問を投げて目を開ける。そうするとカカオの姿は消えて、同時に自分の存在意義も消えてしまう。
『君が正しかった』
チョコは思い直す。
カカオのことを……。小さいけれど、カカオは正しかった。ボクは君と一緒に行けばよかった。
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