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櫻井未空。
二年程前まで付き合っていた女だった。
俺に飽きたのか、突然、荷物をまとめて出て行った。
そのまま連絡も取らずにいた。
出て行った女に、俺から連絡するのも格好の悪い話だ。
そんな事は俺の美学に反する…。
「何が美学よ…」
未空はそう言うと後部座席でクスクスと笑った。
「うるさいよ…。って、何でお前は俺の車に乗ってるんだよ。しかもそんな恰好で…」
俺はルームミラー越しの未空を見た。
「うん…。それなんだけどね…」
未空はまたヘッドレストに手を掛けて身を乗り出して来た。
俺は未空の胸が視界に入るのが気になり、胸と顔を交互に見た。
未空は助手席に脱ぎ捨てた俺のジャケットを後部座席に投げて、後部座席から助手席へと移って来た。
俺の顔の横を未空の尻が通り過ぎる。
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