さよならアルペジオ

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「そんな格好の女、車に乗せてたら怪しまれるだろうが…」 信号で止まった俺は、後部座席からジャケットを取り、未空に渡した。 「ああ、心配しないで…」 未空は俺のジャケットを受取り膝に掛けた。 「多分、私が見えてるの駿二だけだから」 俺は未空を二度見した。 「何言ってるんだ…」 「信号、青よ…」 俺はそう言われてアクセルを踏んだ。 「ちゃんと説明しろよ」 未空は頬杖を突いて、窓の外を見ていた。 「どうも、私…、死んじゃったみたいなのよね…」 未空は呟く様にそう言った。
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