追想

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それから一年ぐらいが経った今も、少女は好きな人ができないでいる。少女は、人を好きになることが怖くなったのである。傷付くのが怖いから。それだけを聞くと、マイナスなことに思えるだろうが、少女は後悔はしていなかった。それほど、好きになれた人がいたということであるから。好きだった時、先輩に好かれたくて、少女は勉学にさらに勤しむようになった。そうやって、好きな人のために頑張った日々は、無駄にはならない、自分の経験になると少女は信じているから。今は、自分の将来に向けて勉強をし、時には友達と恋愛話や大学の話をし、バイトに勤しむ毎日を送っている。少女の生活は、平和なものである。 一つだけ少女が後悔していたのは、先輩に思いを告げられなかったことである。少女は、私は先輩に伝えたかったことがあった。 あなたの事が好きだと言いたかった。あの時、励まされたし、いつも優しくしてくれてありがとう。あなたのおかげで私は頑張れた。ずっと明るく、優しい先輩でいてください。幸せでいてください。 そんな陳腐な言葉を言いたかった。 私は、いつしか、また好きな人ができて、今度は付き合えたら良いと思うのである。
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