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闇が深くなったのは気のせいではないはずだ
薄い灰色の瞳が僕を捉えた。
眼光は、美しかった。
澄んだ瞳。
合わない焦点。
「所詮感情は排泄物
人間は汚いんだ。」
くぐもった声が空気を捕える。
彼女は確実に鎖を放っていた。
「出すだけだしても汚れが湧き出る
枯れることのない泉なのか」
ぴしゃり、と音を立てて
僕の体は彼女の放つ鎖に絡めとられた。
瞬間
鮮やかな赤が空間に映えた。
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