あなたを好きでいたいよ

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仕事で疲れてるかぁ。 それも本当だけど、少し考え事をしてたんだ。 だからスルーしてしまっただけで、 忘れたらこの扱いか。 憶えておこう。 何か…引っかかるんだ。 何が引っかかってるんだろう? 女の子とキスするのは、初めてじゃなし。 あれぐらい何でもないけど。 引っかかるのは、そこじゃなくて。 もっと別の…。 「ん? なんだい?」 再び黙り込んだ僕をまた三人が見ていた。 「やっぱ兄ちゃん、変だ…」 「恋煩いかぁ?(ニヤニヤ)」 「やめなよ。若ちゃん」 「恋煩いってなに? 食いもん?」 「全部食べ物に繋げるのな」 恋煩い。 ふーん…恋ねぇ。 え、恋? 恋だって? 僕が? 誰に? いやいや紫織は、友達で。 ルームメイトの彼女だろ。 そりゃ女の子で一番身近にはいるけど、 恋なんてないよ。 それに紫織は、寮を出てく。 僕が彼女の手を取って、部屋に入れることも。 これからは二人きりになることも…。 なくなるんだ。
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