あなたを好きでいたいよ

36/58
前へ
/58ページ
次へ
静寂な部屋には、二人の動きで揺れきしむベッドの音と、 吐息と重ね合う肌のぶつかる音で満たされていた。 優しく始まった交わりも、激しさを増してゆく。 「あっっ、…あっ、アッ、…ぁあっ!」 揺さぶられながら、紫織からこぼれる喘ぎ声。 激しい突き上げと押し寄せる快感に、繋がり濡れている場所はより潤い、 怒張を増す男の欲望も滑りを良くした最奥を穿つ。 ほしい、ほしい…互いの欲がぶつかり合う。 「ぁふ…ぅんっ、ン、ぁ‥‥っ、あんっ、あぁンッ!」 感じる所を的確に突き上げられ、次第にクラクラと目眩を覚える。 近づいてきた絶頂に一際強く貫かれ、 「あっ、アぁっ!‥‥ナ…ッ、もぅ‥‥っク‥‥イ…く」 「しっ‥‥おり……」 「は…ぁんっ!…ィ‥‥く…っ、イッ、…あ、あっ、ああぁっ!!」 「…っ」 余韻の気怠さとともに崩れ落ちてくる男の背中を抱きしめながら、 今までとは違う、心からあふれる想いに紫織は、目を閉じた。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加