あなたを好きでいたいよ

55/58
前へ
/58ページ
次へ
数日前・・・。 昔の写真を整理していた時だ。 妹達と紫織の話になった。 「なぁ? 萌ちゃん、なんであの人(紫織)を知ってたんだ?」 「そうだよ。サル(悟くん)の言う通り、いつ会ったんだよ?」 「あぁ、・・・えっと・・・」 自分達より先に萌だけが会っていたのが若菜と悟には、 気に入らなかったようである。 答えに窮した萌がちらりと兄を見る。 「たまたま萌と僕がいたところへ紫織が来て、鉢合わせたんだ」 「はぁ? なんだ、それ・・・」 「兄さんに参考書を選ぶのに、ついて来てもらってね? その時にいた書店に紫織さんがやって来たの」 「ふーん。まあ、萌ちゃんが言うならそうなんだろうけどさぁ」 写真の中には、紫織が映っていたのもあったらしい。 マジマジ見つめながら若菜が呟いた。 「兄貴、・・・いい(プレゼント)センスしてたのな」 「なんだい? 急に・・・」 「紫織さんの一粒ダイヤのペンダント」 「あーそれは、・・・僕がプレゼントしたものじゃないよ」 「・・・だろうな。(褒めた)わたしがどうかしてたわ」(ばっさり) 下二人がつれないのは、いつものことだが。 その話題は、膨らんでいった。 「若ちゃん、ペンダントがどうかしたの?」 「え、萌・・・知らないか?」 「えー? ずりー。なんだよ。教えろよ! 俺にも!!」 「わかった、わかった。話すから騒ぐな」 なぜか他三名が興味津々で若菜に集い、彼女は一つ咳をして言った。 「この一粒ダイヤのペンダントには、ジンクスがあって人気なんだよ」 「「「へー」」」 「・・・三人そろってバカ面だなぁ(呆れ)」 「いや萌ならまだしも・・・」 「なぁ? 萌ちゃんだったらわかるけど・・・」 「若ちゃんがそういう事を知ってるのに驚いたっていうか・・・」 「全員表へ出ろ!!」
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加