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切なる想いは、その刹那
聞きなれた着信音。
それは、この着信をくれている人の一番好きな曲。
『よっ』
「よっ。……っていうか、早くない? まだ午前中なのに。珍しいね」
ちょっとどころではなく、だいぶ珍しい時間帯だった。
いつもは午後とか、夜とか。休日であればほぼ確実に夜に連絡をしてくる。
あまり朝が得意ではない彼(アイツ)なのだから、当然と言えば当然なのだけれど。
『失礼だなー……。わりと最近はそこそこ起きれるようになってきたんだぞ?』
「だったらそれを小さい頃からやってほしかったんだけど?」
『……いやいや。オレに全責任を押し付けるなよ』
「なんでよ」
『ときどきお前、アホみたいに来るのが早すぎるときあっただろ』
「えー……?」
少し昔を思い出してみる。
私の襲来を解っていたのか頭まで布団を被っていたところを引っぺがして……。
「ア、アンタ……たまに上半身とか脱いでたわよね……!」
『お……! お前……、何思い出してんだバカ!』
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