僕の隣で笑うキミ。

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付き合って間もない僕たちは、お互い探りさぐりで、手を繋ぐにも慎重になってしまう。 指が触れるか触れないか、際どい距離に手を置いて、ちょんと触れれば、照れくさくてさっと距離をとる。 だんだんそんなやり取りが焦れったくなって、お互いに言葉を交わさぬまま、一本一本指を絡めとって、手を繋いだ。 「ドキドキするね…」 「こんなことでドキドキしててどうするの?」 顔を近づけると、彼女は何か察したようで頬を赤く染めていた。 ドキドキしてるのは、僕も一緒なのに。 とにかく隠すことに必死だった。 そんな子どものような僕たちは、キスをするのに3ヶ月もかかってしまった。 隣で今日も微笑むキミを…… 「今日は全部、僕のものにしてもいい?」 とても大切で、大切なキミだから、そう口にするのにはかなり勇気が必要で。 「うん、全部あげる」 もしかしたら嫌われてしまうんじゃないかと、内心ヒヤヒヤしていたけれど、はにかみながらそう呟いたキミが愛しくて。 気づいた時には、キミをぎゅっと抱きしめていた。
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