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ぶっきらぼうに言う譲に美雪はぶちぎれる。
「あっそ。椿みたいに美人でいい子ならすぐにお兄ちゃんなんかよりずっといい彼氏できるんだから。そのときになって後悔しても遅いんだからね」
そうなることを願ってるよ。それが譲と美雪の間で交わされた最後の会話になった。
「ねぇ、椿元気出して」
修学旅行先の東京での自由時間、美雪は落ち込む椿を懸命に励ましていた。
「椿ならあんな寝ぼすけよりずっといい彼氏がすぐにできるって」
「うん、ありがとう」
美雪の励ましが何の功をそうしてない声、表情で椿は礼を言う。
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