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 鷹栖は改めて痛々しく横たわる新垣を見下ろす。足を切断しなければならないかもしれない、「お連れの方があなたを背負ってここまで這ってこられたんです」と、看護師の言葉が重くのしかかる。自分がそんな状況にもかかわらず、自分のことは二の次で部下のことを気に懸ける新垣の心意気に鷹栖は泣きそうになった。それを堪えようとぎゅっと片目を瞑り頬をひくつかせる。 「カルメ焼き、そんなだから糖尿になるんですよ」  強がろうと皮肉が口を突いて出る鷹栖に、新垣はうるさいと口をとがらせてから、眠たいから寝る後はお前にまかせたと毛布を被り直した。
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