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伝子とその進化の〓〓〓(取り込んだ記憶の不明瞭な箇所)〓〓〓だったのだから。  ともあれ、彼とその息子の容姿はとてもよく似ていて、遺伝的繋がりの疑いようはなかった。だが、その内面はあまり似ておらず、息子の方には彼の快活なさまがあまり見られなかった。それは息子が隆盛以上の霊障に苛まれ、病弱だった事が要因としてあげられる。いつしか隆盛は彼に気に入られようと病弱な息子の世話を焼くことを覚える。 「いつもありがとうな、隆盛」  隆盛にとって彼からの感謝の言葉が何よりものご褒美であった。同級生である友を弟のように可愛がることで得られる快楽が幼い隆盛の未成熟な自我に満たされ他の喜びを受け入れる余地を奪っていった。  そして、学年が上がるごとに彼への憧れが少しずつ変化して行く。隆盛は思春期に入り自分が同性にしか性的興味を持てないことを知る。憧れが恋慕と同じ意味を持つようになるのにそう時間はかからなかった。繰り返される自慰行為の中で、彼を思わぬときはなかった。果てた後、高ぶる気持ちが落ち着く度に、彼を汚したことへの罪悪感と、彼の息子である友への罪悪感が同時に襲ってきた。友人の父親に恋をした。いくつものタブー、信     
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