赤い河の谷間

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赤い河の谷間

 見知らぬ街にかかる橋の上で美智子(みちこ)は呆然と立ち尽くしていた。いったいどれほどの時間がたっただろうか。欄干に手をかけ眼下の碧い藻で淀むその川に自らを解放する手立てがあるのではないかと望みつづけて。 「修一さん……」     
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