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「え!嘘でしょ?」
「どうしたの?」
ミキがくりくりとした大きな瞳で顔を覗き込んでくる。
私はスマホの画面をミキに見せる。
「嘘?……皆に重大発表!」
4人の視線が、私達に注がれる。
「なんと、ヒデキ君がこっちに向かっていまーす!」
「何だよ、頑張れば空港に間に合ったんじゃないの?」
「サプライズが過ぎますな!」
「もう1人乗れるかな。やっぱ、女子の荷物邪魔だな」
「ヒデキ君、海外から来るから、荷物多いんじゃね?」
皆、様々な反応で大笑いしている。
夕方には合流できそうで良かった。
私はすぐに電話してみる。
でも、電源は切られてて……当たり前か、今雲の上だもんね。
「ねぇ、チェックインまで時間あるから、先にあそこ行かない?」
私が提案した場所は、同好の士だった皆はすぐにピンとくる。
「いいね!明日行こうと思ったけど、もう行っちゃう?」
「ヒデキ、悔しがるんじゃないの?」
「良いんだって。ヒデキに悔しい想いをさせたいの」
「まぁ、ロケハンだな。明日の」
監督志望だったヒロミらしい切り返しで、車内は笑いながら納得した。
宿泊先とは反対方向の安芸市方面へVOXYを走らせる。
国道55号線を土佐湾沿いに走らせるだけだ。
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