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阿鼻叫喚と思いきや、人は本当に悲しい時、驚いた時には言葉を失うことを俺は知る。四組の親子は、天一郎の遺体にすがりつき、涙を流すだけ・・・。
すぐに、私設警察DOKYOUの応援部隊も駆けつけた。仲間の死を目にしても、感情を表に出さない。鋼鉄の意志の持ち主、プロだ。
警察も駆けつけ、すぐに捜査が開始された。
病院だから救急車を呼ばなくてもよいという笑えない話だが、四組の親子はそれぞれ個室に運ばれ、最新の医学で治療されることとなり、肝心の天一郎の遺体は地下の霊安室に移された。
それを見届けた俺は、空いている病室のドアを開けて、倒れ込んだ。
そして、爺さんにスマホでホウ・レン・ソウ(報告、連絡、相談)だ。
「そうか。わかった。」
爺さんも、無駄なことは一切言わず、電話を切った。
『爺さん、無理して、今頃泣いているぞ。』
そう思う最中、俺は力尽き、意識を失った。
俺が意識を失っている最中、誰かが来たような気がする・・・・。
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