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せっかくいい雰囲気になりかけたのに、水をさされてしまった三輪はメッチャ残念そうだった。俺の仕事もまだ継続中だし、帰ることになった。
一人病室に残された俺は、傷の具合をチェックするとともに、装備を確認する。防刃&防弾&衝撃吸収&超光学迷彩服はボロボロで使い物にならないが、まあ何もないよりマシかも。手甲と棒手裏剣は、無事だ。その他の武器も、全然大丈夫だったので、ひとまず安心する。
それにしても、USAのその言葉、嫌な予感がする。今回の襲撃事件もどうしても納得ができない。あの場所であのタイミング、絶対に内部通報者がいるに違いない。爺さんに電話し、そのことを伝えると、爺さんも同じ考えだった。俺は、爺さんに新しい防刃&防弾&衝撃吸収&超光学迷彩服を手配してもらうとともに、今回の事件の裏を探るように頼んだ。
そして、俺は、美汐と美帆親子の病室を見舞うことにした。
病室は特別病棟で、しかも私設警察DOKYOUの精鋭の厳戒態勢がハンパなかった。ピリピリしている。俺が近づいた瞬間、待ち構えていたかのように取り囲まれた。怖いくらいだ。まあ、これくらいが丁度いいんだけど、俺も怪我人なので、優しく扱ってもらいたいなんてね。
「僕の身元は、鷹野優斗さんに確認して下さい。それと、美帆さんに座敷童が会いに来たって伝えてもらいたいんですけど。」
こんな時の俺は、いかにも弱々しい重傷患者でございを演じる。
すぐに鷹野優斗に連絡をとった一人の顔色が変わる。先ほどの上から目線とはうって変わって低姿勢となり、病室の中の美帆と連絡をとってくれた。
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