お掃除ロボットは死を呼ぶ悪魔か

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 こうして、N・F・Cとのホテル・TAIZANを巻き込んだ争いに決着は着いた。泰山天鳳は、ホッとした様子で、誰よりも早く俺の元に駆け付けた。 「ありがとうございます。これで、ホテル・TAIZANを悪魔から守ることができます。」  自分の命より、ホテルを大事にするところは流石だと思った。  俺たちがそんなことをしているうちに、特等席では意外にカールとヴィジョン・スカイネットは冷静だった。貴重なデータをとることができたのか、それとも世界各国の紛争地帯に宣伝する動画が撮れてご満悦なのかはわからない。  俺が考えるに、N・F・Cは各国のオーダー、リクエストに答えて兵士型ロボットを製造するつもりに違いない。そうすることで、各国の競争意識、購買意欲を高める戦略なのであろう。恐ろしいかぎりだ。  今回も、大統領は国防長官を従え、不機嫌に席を立った。あのオバサンだけでなく、銀縁眼鏡のオジサンまで、俺にウインクをしてから、去ったのは気のせいじゃないよな。総理大臣だけは、満面の笑みを浮かべ、わざわざ俺に握手を求めてきた。 「いやあ、前にも言ったが、君こそ、日本の誇り、希望の星。これからも、頑張ってくれたまえ。応援しているよ。」 「ありがとうございます。頑張ります。」  本当は、自衛隊員の婚活と日本武道の普及に力を入れて欲しいとお願いしようかなあと思ったけど、大統領との賭けに勝って得をしたことに有頂天になっているから、やめといた。まあ、爺さんから圧をかけておくか。
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