私が欲しければと挑発する美少女

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私が欲しければと挑発する美少女

 N・F・Cが絡んだ仕事も無事終わり、俺が真面目で平凡な高校生活を送っている間に、巷では興味深い都市伝説がまことしやかに噂になっていた。俺は、三輪の部屋で、教えられて知ったのだが、この世の者とは思えない絶世の美少女が、夜な夜な、ある場所に現れ、道行く男たちに声をかけるのだという。 「『私、綺麗だろう。私が欲しければ、私を倒してごらん。さあ、早く、かかってこい。股にぶら下げているのは、飾りじゃないよね。』って、挑発するんだって。たいていの男どもは、色々な意味で頭に血が上ってかかっていくんだけど、みんな倒されるらしいよ。」 「へえ、へえ、へえ~。どうやってよ。」  俺は、半信半疑だった。 「それが、すべて返し技、バテーンダーらしいよ。」 「それを言うなら、カウンターだろう。」 「どっちだって、いいじゃん。とにかく、瞬殺なんだって。噂は噂を呼び、いろんな武道の腕に自信がある者、女に飢えている男たちが挑戦したけど、すべて瞬殺されたらしいよ。」 「それが本当なら、スゴイな。」  俺は、まだ半信半疑だった。一生懸命語ってくれる三輪の手前、一応話を合わせるけどね。 「ねえ、皇君は、行かないの。」 「行かない。メンドイ。」 「何で。絶世の美女よ。勝てば、好きにできるのよ。」 「俺が好きにしたい女は、三輪、おまえだけだよ。」 「えっ、何。よく聞こえなかった。もう一度、言って。」  本当は聞こえているくせに、こういうところが可愛い。  俺は答えず、左手で三輪の右手を取り、引き寄せる。伊勢の旅館で遂に男と女の契りを交わすところまでいったんだけど、邪魔が入って未遂になったまま、今日に至っている。左手を三輪の背中に回し、右手で長くて艶やかな黒髪をかきあげながら、耳元で甘くささやく。 「おまえが、欲しい。」 「私も・・・」  熱にうなされたような三輪の夢見るような表情に、俺はつい興奮してしま う。俺だって、健全なる高校生男子だ。三輪だって、俺を部屋に入れるんだから、想定内だろう。全身がとろけるような甘く刺激的なキスを交わし、遂に、遂にと思ったところで、またもや邪魔が入ったのである。そいつに、『地獄に堕ちろ。』と、叫びたい。    
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