世界の正義の挑戦

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世界の正義の挑戦

 暫く、俺は真面目な高校生活を送っていた。たまにだぜ、あくまでたまに、三日に一度だけだぞ、あのお嬢さん、葛城三輪とはメールで連絡をしていた。  断っておくけど、俺からではないぞ、あちらからメールしてくるから、しかたなくだ。爺さんを怒らすと後が怖いからだ。それにしても、どうして女子はメールなんて面倒くさいことを好むんだろう。手っ取り早く、電話で直に会話した方がよっぽどいいのに。それにだ、何故、メールに絵文字を使いたがるんだろう。男子には、永遠の謎であるなんてね。  それより、全米が称えるハリウッド映画のアクションスター、シャイニング・ドラゴンことリュウ・ヒカルが謎の怪我で療養中、突然の引退宣言をしたときは、秘かに責任を感じた。ネットではどこかの武道の達人か、忍者との勝負に負けたとか噂されているのを知って、何だか背中がこそばい気がした。  リュウ・ヒカルは怪我が治ったら、東南アジアへ新たに修行の旅に出ると熱く語っているのをテレビで見て、めっちゃ嬉しくなったけどね。 「マジか。」  しかし、数日後、そのリュウ・ヒカルがアメリカの歴史ある大病院、数々のプロスポーツの有名、一流選手の専属医を供給しているベイラー医科大学の附属病院の屋上から飛び降りて死んだことをテレビのニュースで知ったときは、青天の霹靂の意味を身をもって知った気分だった。世間では怪我を苦に自殺とか噂されていて、警察も事故と事件の両方の視点で捜査しているらしい。 「あいつに限って自殺なんかするわけないだろう。」  一度でも拳を交えれば、拳友、俺にとっては、親友だ。俺は、何らかの事件に巻き込まれたと考える。その時だ、俺のスマホが鳴った。    
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