幻の大陸からの使者

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幻の大陸からの使者

 無事役目を終えた俺たちは、山頂にある雄山神社本宮から険しい山道を下り、立山の雄山のふもとに到着する。同じ道なのに、帰りは何だか違う道に思えた。そこで待機していたおぼろ車は、牛田鬼之介を乗せると、「ほな、さいなら。おたっしゃで。」と、陽気に去って行った。確かに、もう二度と会うことはないかも。  キュウタローの運転するフェラーリに美雪と、俺と三輪は乗り込み、陳 桃陽を一人残して、東京に帰ることとなった。美雪が俺に、「三輪と陳 桃陽のどちらを乗せる。」などと意地悪な質問をされると思ったが、それはなかった。安心したよ。正直、陳 桃陽とは名残惜しかったが、黙っておこう。  東京までは、高速をぶっ飛ばしても結構時間がかかる。俺と三輪は、いつしか後部座席で肩をくっつけて、眠ってしまっていた。  不思議なことに俺たちが目を覚ますと、どこかの神社の境内のご神木の根元であった。美雪とキュウタローの姿はどこにもないが、インスタ映えする千本鳥居があり、新宿駅から近いことを考えると、花園神社らしい。何だか狐に化かされたような気がするが、俺の防刃&防弾&衝撃吸収&超光学迷彩服の損傷が凄まじい闘いが実際にあった記録である。心身の疲労度は、妖怪・大蛇の肉を喰らったせいか、それほどでもなかった。  折角なので、俺と三輪は花園神社に参拝してから、かなり遅いランチを食べることにする。もちろん、俺たちは、神社のトイレで着替えたよ。
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