俺の予感はよく当たる

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俺の予感はよく当たる

 次の日、真面目に高校生活を過ごし、帰ろうとしたところ、 校門付近が何やら騒がしい。芸能人か何かが来たみたいな雰囲気だ。  何ごとかと思って、校門まで行ったところで、謎は解けた。 「尾上皇(おがみ こう)様。お待ちしておりました。」 「昨夜は、危ないところを助けていただいてありがとうございました。」  昨夜のあの変なお嬢様が執事とともに、この俺を待ち構えていたので ある。あの運転手は車の中だったが、確かに、俺んちの高校に芸能人顔負けの美貌を誇るお嬢様が高級車で待っていたら、そりゃあ目立つわな。 「人違いです。」  俺は、そのまま通り過ぎようとした。  お嬢様と執事は吉本の芸人みたいにずっこけたが、気を取り直し、 必死に涙目で俺の腕にすがりついてきた。 「お願いです。このまま帰すと、私は御祖父様に叱られます。」 「はい、その通りなのです。私どもの主がどうしてもお礼がしたいと 申しております。私どもを助けると思って、この車にお乗りください。」  年寄りと女を泣かすのは俺のポリシーに反する。 「仕方ねえな。何か、美味いモノ喰わせろよ。」 「はい、喜んで。」  やっぱ、このお嬢様、おもろい。  そのお嬢様の輝くような笑顔に、心を奪われた見物者はかなりいただろうよ。  それにしても、俺の通り名の一つから、一晩でこの俺の名前と通っている高校を調べ上げるとは、なかなかの情報収集力だ。  それに、俺のことを調べたうえで会いたいとは、恐縮するわ。  俺は、このお嬢様の御祖父さんとやらに会うのが楽しみになった。 「よっ、運転手さん。アンタも大変だな。まあ、宜しく頼むわ。」  俺は高級車の後部座席に乗り込むと、声をかけた。別に挑発しているわけでもないので、運転手もバックミラー越しに頭を下げてくれた。 「三輪さんだっけ。何で、そんなに狼に熱くなっているんだい。」 「えっ、私の名前を覚えてくれていたんですね。嬉しいですわ。」 「・・・・・・」  自慢するわけではないが、俺は一度でも会った人間の名前と 顔は頭に入る。クソ親父に、そのように仕込まれているからだ。
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