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部屋の中は暗く、最初に目に入ったのは奥の窓だった。暗さの原因は窓にカーテンが掛けられ、光が入りにくいかららしい。
「何だ、別に何も……!?」
目線をふと下方に移すと、一階のリビングや廊下とは様子が違った。一階みたいに大量に物が置かれているわけじゃない。
置いてあった棚や椅子等は滅茶苦茶に壊され、見覚えのある服や本等は切り刻まれていた。どう見ても、荒らされたままの状態で残している様にしか見えない。この光景を見て、俺もさすがにショックを受けた。
「な、何だよこれ……」
「あんたが居なくなった後……あの女がやったんだ」
「っ……あの女って……」
こんな事をしそうな女は、一人しか思い付かない。俺がその人を嫌っているのは理由があるが、慶介の表情には俺よりも憎悪の感情が滲んでいる様に見えた。
「俺とはほとんど関わりはなかったけど……お前等にとっては実の母親だろ……」
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