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「どうして彼女が生贄にされなければいけないんだ。雨が降らないのだって、ただ天運が悪いだけだし、川の水があんなに減ったのだって何か理由があるはずだ!」
「天運をいいほうに導くための生贄です。川の水が減ったのも雨が降らないからでしょう。」
と跳ね除けられてしまいました。
そのまま家に戻ると、彼は何かに、この村の儀式に、伝統に怒っていました。
「くそ。なんで君が生贄にならなきゃいけないんだ。君はそれでいいのか?」
「私はもちろん死にたくないけど、それで大好きなこの村の危機が去るのならしょうがないことだと思ってるよ。」
「そうだ。このまま王都に逃げよう。そうすれば君は生贄にならずに済むし、お金は僕の絵で稼いで見せる。だから。」
「気持ちはとてもうれしいけれど、それじゃあこの村の人々を見捨てたことになっちゃう。ごめんね。私はこの村を離れられない。」
「なら僕は川の減水の正体を探して解決する。それで君が生贄にならずに済む。それならいいだろ。」
そういい捨てて彼は家を出ていきました。
彼を追って家の外に出ると、村長がいました。
儀式の準備をしなければならないから来てくれとのことでした。
私は彼のことが気になりながらも渋々村長についていきました。
彼女を助けるために川の異変の正体を突き止めなければならない。
その為には何人か仲間が欲しい。
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