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そうして僕は、特に仲のよかった与一に声をかけ、一緒に川の異変調査に向かうことにした。
もう夕方で暗くなってきていたが、今は時間が惜しい。
与一に準備を整え、夜にまた落ち合おうと約束し別れた。
家に戻りランタン、簡易的な食糧、テントなど調査に必要そうなものを準備した。
まだ家に彼女はいなかった。
「行ってきますとか言いたかったな。」
彼女に気持ちを伝えるために書置きを残していくことにした。
「明日の儀式までに、必ず川の異変を突き止めて帰ってくるから。安心して待っていてください。」
与一と落ち合い調査へと向かった。
まず川沿いに歩き上流を目指すことにした。
特に異変もなく森に入ろうかというところまでやってきた。
もう辺りはランタンの光が無ければ何も見えず、これ以上の調査は危険だろうということで、テントを立て朝まで休憩をとることにした。
翌朝テントを片付け森の中に入っていった。
森の中は少しぬかるんでおり、足元に気を付けながら慎重に進んでいった。
「こっちのほうは雨が降っていたのか。ならなぜ川の水は減水していたのだろうな。」
「まだわからない。もっと先へ進んでみればわかるかもしれない。」
もう昼になってしまった。
雨ごいの儀式は、今日の夜に村外れの祭壇で行うと言っていた。
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