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ひたすら走り続け、儀式が行われる祭壇にたどり着いた時には、儀式はすでに始まっていた。
村長についていくとまず、儀式の説明を受けました。
儀式の流れはこうです。
まず祭壇に祈りを捧げ竜神様をお呼びします。
次に村長が式句を読み上げ、専用の白服を着て化粧をした私が竜神様に見えるようにお酒を口づけ、祭壇の上に上がります。
最後にその私をお酒と塩で清めた弓矢で射貫いて、儀式は終了なんだそうです。
なんでもそれにより魂が竜神様に捧げられ願いが届くそうなのです。
私は村長に自分の亡骸を桜の木の下に埋めてほしいと頼みました。
村長は少し悲しみを浮かべ
「すまないね。こんなことを頼んでしまって。もちろん引き受けよう。君の亡骸は、あの桜の木の下に。」
「ありがとうございます。」
村長の家を後にした私は親しい友人たちと話をすることにしました。
一通り話終わり、家に戻っても彼の姿はありませんでした。
テーブルの上には一枚の書き置きが残されていました。
「助けようとしてくれるのは嬉しいけど、今晩は一緒にいたかったな。」
そんなことを思い馳せながら、私は眠りにつきました。
次の日の朝。
目が覚めても彼の姿はありませんでした。
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