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「川の・・原因は分かった。・・僕と一緒に行った与一が証明してくれる。君を助けることはできたんだ。僕の願いは叶った。ただ君を不幸にしてしまうことを許してほしい。」
「このまま死ぬのは許さないから。絶対に生きて。また一緒に暮らそう。ね。」
「ごめん・・ね。」
それから彼は静かに息を引き取りました。
その後祭壇に現れた与一から調査の結果の説明があり、後日土砂の撤去作業が行われることになりました。
彼の遺体は私たちの一番の思い出の場所である桜の木の下に埋められることになりました。
その時は、私の悲しみに呼応するかのような大雨でした。
私は悲しみで3日間寝込んでしまっていましたが、友人たちのおかげで何とか立ち直ることができました。
あの桜の木の下がより一層私のかけがえのない場所になりました。
彼の書いてくれたあの桜の絵と私の似顔絵は、私の一生の宝物です。
今では私もすっかり年老いてしまいました。
もう先は長くないと告げられました。
「待たせてごめんね。もうすこしであなたのもとに行けるから。」
私はいつものようにあの桜の木の下に向かいました。
今日はお日様が元気に世界を照らし、空には雲一つないぽかぽか陽気で絶好の昼寝日和だ。
「今日は天気がいいわね。あの人と一緒に昼寝できたらいいのに。」
私は閉じようとする瞼に抵抗することなく、目を閉じた。
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