悪魔の予言の続きには

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「やりましたよ、お客さん。お客さんが帰ってすぐに“とあるルート”で大量の金が売れましてね。その方が実に相場の六倍の値段で取引に応じてくれたおかげで大儲け出来ましたよ。」電話が終わると彼はすぐに銀行に電話をかけた。そして数十分後に二十数名の男が厳重な様子で彼の部屋を訪れて十五個のジュラルミンケースを置いて帰っていった。十五個のジュラルミンケースの中身を全て出すと彼はその上で寝そべりながら大きな声で笑いはじめた。 「やったぞ、ヤッター??これでオレはこれからの人生を遊んで暮らせるぞ!ハハハハッ!」男は大いに喜んだが、それはつかの間の喜びであった。この日の三日後、この国は戦火に覆われた。情勢は一気に悪化し、彼の町もものの数時間で戦場と化してしまった。彼は全財産とともに命辛々隣国へと逃げ延びたが、今の世界では彼の全財産は紙切れ同然の価値しかないのであった。
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