就寝日和

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 台所から出てリビングを通りそのまま外へ出る。  すると今度は昼頃の温かな陽に包まれ、手伝いのことも忘れて少女は少しだけ太陽に向かって伸びをした。  「うーん…………すごい気持ちいい。お手伝い終わったらまた寝ようかな……」  「ちょっと、お手伝いするんなら早くなさい。今日は商人さんが来るから、薬草と乾燥させた食べ物の準備、お願いできる?」  そこへ、洗濯籠を持った母親が通りかかった。  中には先ほど入れた自分の寝間着が見て取れた。  「私は洗濯に行くから、一人でできる?」  「うん! それが終わったらまたご本読んでもいい?」  「ええ、いいわよ。それじゃあよろしくね」  「はーい」  それを聞いて、少女は家の裏手の方へ走っていく。  裏手へ回るとそこには太陽に向けて乾燥させたキノコや薬草がビッシリとザルに乗せられていた。    「わぁ、今日も沢山出来てる!!」  それは昨日母親と一緒に森の方へ行き収穫した商人へと売り物だ。  商人はこの村へ来ると生活品や食品といった物の他に、物の取引も行っており、町で売れるものなら商人が買い取ってくれるのだ。     
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