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そして、この少女と母親の収入源は主にそれで稼ぐお金であり、幼い頃父親が死んでから、いや、父親が死ぬ前からこうして森へ言って薬草や特産であるキノコを乾燥させ保存を利かせると、商人が来た時に売りつけるのだ。
少女はその手伝いを父親が死んだ三歳の頃から五年間、母親を少しでも助ける為にこうして手伝いをかって出ていた。
今では森へ行っても食べれるキノコ、売れるキノコ、毒キノコをしっかりと見分けることもできるし、薬草も、育てるべき若葉と質のいい葉、そうでない葉とをしっかりと分けて採取できている。
乾燥させる時だって、今では形を崩さずに綺麗に乾燥させることができている。
後はこれを売却用の少女をすっぽりと隠せる程大きな籠の中へ入れるだけだ。
「よしっ!」
少女は頷き、行動を開始する。
それぞれ干してあるザルを行き来して状態を確かめると、少女は大きな籠の方へザルを運び傷をつけないようにして入れ始める。
一見適当に見て適当に入れているようにも見えるこの作業だが、実際のところ少女は一目見てから高く売れるものと売れないものを選別し、それぞれキノコと薬草別々の籠へ入れているのだ。
これを熟練のハンターや森に精通するエルフ何かがみれば、かぶりを振って目を見開くだろう。
こんな年若い少女が少し見ただけで高質なものとそうでないものの振り分けができているのだから。
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