喫煙室のアインシュタイン

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脂ぎった顔。 欲まみれの唇。 こんな中年男にはなりたくない。 フリークス。 喫煙室内に充満する、煙。 ピースとガラムの煙。 ピースとガラムの香り。 「ぼんぼん、えらいええ煙草吸うとるなあ。」 中年男が、関西風の口調で言った。 「そうね。良い煙草だよ。」 「ボンボンは、生まれも東京か?」 「そうだよ。ありがと。」 「変わった、ぼんやなぁ~。」 「ああ。ありがと。」 「ほんま、変わっとるわ~。」 俺は、今度は、スルーした。
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