雨の日の錯乱

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「もしもーし。お兄さん、だいじょーぶー?」 板前風の男。 年のころ30歳といったところだろうか。 右手首に、さくらの刺青。 短い足。 拓也は自分の足も見た。 グニャリと曲がっている。 「おーい。お兄さん、聴こえてるー?」 「キコエテル。ダイジョーブ。 おっさん。煙草取ってくれ。」 拓也が、目の前でバラバラに散らばった ガラムに目配せをして、言った。
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