第二章 お泊り会

1/2
前へ
/5ページ
次へ

第二章 お泊り会

 そんなある日、「お泊り会」なるものがあると、母から知らされた。仲の良いお友達の家へ2~3人で行って泊まるというものらしいのだが、俊太もやりたいと言っているという。    朝食の席で俊太に確認してみる。 「俊太、お泊り会やりたいんだって」 「うん、ケンちゃんと、よし君とマミちゃんを呼びたいんだ。ねえパパいいでしょう」  俊太のけなげな視線に戸惑う。 「女の子も呼ぶのか?」 「大丈夫よ。いいわよ」  私が応える前に、母が答えていた。 「じゃあ、いいけど。おばあちゃんの言うことをちゃんと聞くんだよ」 「うん。じゃあ、いいんだよね。やった-」  俊太の喜ぶ顔を見ていると、やってあげたくなる。  金曜日の夜に泊まって、土曜の昼ごろに解散となるようだ。  その金曜日の夜、私が帰宅できたのは、午後8時過ぎであった。子供たちはまだ起きていて、俊太の部屋でゲ-ムをしているようであった。学校からの伝達で、遅くとも午後10時までには寝かせるように言われていると、母が言う。ただ、子供たちは興奮しているので、すぐには寝られないから早目に何回か寝るように指示して、結果的に10時頃には寝るようにさせるのだと、母は準備をしている。 午後9時半になった頃、子供たちもようやく寝る体制に入ったようだ。しばらくすると、俊太の愚図る声が聞こえてくる。子供同士で喧嘩でもしているのかと心配になったが、母が部屋に確認にいったところ、俊太がいつものように、小さな、すでにかなり汚れた布団を口にくわえ、しゃぶろうとした時、唯一の女の子のマミちゃんに「いやだ、まだそんなのくわえているの」と言われたそうだ。女の子はませているので、十分あり得ることだった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加