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「どうしましたか? どうぞ、こちらに上がって来て下さい。暖かいですよ」
部屋から顔を出して、笑いながら陽奈に手招きした。
「ありがとうございます」
陽菜は慌てて靴を脱ぎ、玄関の隅に揃えて置いた。呼ばれた部屋はキッチンだった。そこには、四角いテーブルを囲むように五脚のイスが置いてあった。
側には石油ストーブが赤々と燃えて、上に置かれたヤカンからふわふわと湯気が立っている。
婦人はマゴマゴしている陽奈に声をかけた。
「外は、寒かったでしょう。まずはお茶でも飲んで、暖まりましょう」
香ばしい匂いのするお茶にお饅頭を添えてテーブルの上に置いてくれた。
「さ、どうぞ、どうぞ」
座るように勧めてくれた。でも、陽奈は、その前に、どうしてもお願いしたいことがあった。
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