第2章

6/47
前へ
/223ページ
次へ
「あら、久美ちゃん、寝ていたの。悪いことをしたわね」 みんなにお母さんと呼ばれていたさっきの人が、久美ちゃんのパンダ柄のパジャマ姿を見て申し分けなさそうに言った。 「ううん。理沙の部屋で遊んでいたの。新人さんの顔を早く見たくてこのまま降りて来ちゃった」 久美ちゃんは首をすくめ愛嬌のある笑顔を陽菜に向けた。 (綺麗な人たちだなぁ……) 綺麗な三人の女の子に囲まれていると、自分の知らない世界に迷いこんだよう気持ちになる。今までいた工場にはいなかった華やかで美しい三人の女の子達…… 自分とはまるで違う別世界の住人のように思えた。 経営者らしい女の人は、みんなにお母さんと呼ばれているらしい。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加