【第1話】とあるネクロマンサーへのインタビュー

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 だろ? 因みにネクロマンサーは完全に血統性で、大元の祖先の血が流れていなければなりたくてもなれない。差別って訳じゃなくて、血がなければ力が使えないから必然的にそうなる。逆に言うとその家系にさえ生まれれば、誰でもネクロマンサーだよ。 ――ははぁ……結局間口は狭いということですね。元々の絶対数の少なさも、そこに原因がありそうですね。  ま、そう言われればそうかも。どーしてもなりたいって奴も見たことないけどね。 ――そんな状況にも拘わらず、あなたがこの度ネクロマンサーとして正式に開業されたのは何故ですか?  うーん。ま、成り行き? ――成り行きですか。  さっき言った通り、親父が辞めちゃってさ。免許は個人じゃなくて血統に与えられるものだから、俺が継がなければ国に返さないといけない。そしたら保留してるうちに、何か後戻りできない状況になっちゃってさ。 ――?  要するに、お仕事だよ。死者の未練を絶つこと。それが終わったら、俺も廃業しようかとは思ってる。他は知らないけど、俺の家系は俺で最後……時代の流れってやつさ。 ――ははあ、何だか寂しいですね。そう言えば、最初にお茶を出してくださった女性はご家族の方ですか?  家族じゃないけど、似たようなものかもね。 ――恋人ですか?  いやいや、そういうんじゃないよ、本当に。せいぜい助手ってとこ。     
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