一章 僕らの思い one

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藻掻いていた泣きそうで苦しい諦めてしまいたかった約半年、nanaで声優志望と誰かに言うことなくそしてプロフィールに書くこと無く、人と関わることは殆どなかった。が、ついこの間約二週間前のことだ。一つ目に止まった「声優志望さんと切磋琢磨しよう」の一言。切磋琢磨という言葉は素晴らしいことのようで実際は綺麗事であると僕は思っていたし今でもそうと確信している。切磋琢磨とはつまり批判し合うということを意味していると僕は思っていた。批判し合う、それがメンタルの弱い僕にとっていかに恐れるものであるか。しかしその恐怖と同時に好奇心もそこにあったのは嘘ではない。人に評価されるということはもしかすると、肯定される可能性も示唆していた。僕は恐怖心を抑え必死で見ないふりをして好奇心だけをむき出しに切磋琢磨のワードが表示されているコミュニティーをタップした。そこで燈と、出会った。燈も又声優を目指しながらも養成所に通うことが出来ずにいた。燈は自分も含めた声優志望とLINEで関わることを企画してくれた。だからこそ私は一人で問答することなく進めていると言っても過言ではない。燈の企画そして助けがなければ今頃は後述する仲間と呼べるべき美しき友に会えていなかっただろうし、そしてまたずっともがき苦しむことになっていたかもしれない。たらればを言っても無意味なのは重々承知だがそれでもこのコミュニティーに入らず燈に出会わずにいたならばと考えると落ち込むくらいには感謝をしている。コミュニティーに入る前の印象の思い込みは前述の通り恐怖心と少しの好奇心だが入ってみた感想をいうとそれは恐れていたものとはほど遠かった。僕がそのコミュニティに入った当時人数は僕を含め五人だった。あとから一人増えるのだがそれは後述しよう。
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