一章 僕らの思い one

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「ヴー」 と携帯のバイブ音がなりメッセージがホーム画面に表示される。タイミングよく声優志望グループからだ。メッセージ内容は一言。メッセージ主は万騎くん。 「声優志望グループ/万騎:つっかれたあああ」 万騎くんや奏ちゃん、燈、ユズくんそして僕は学生だ。優亜さんだけが働いている、所謂大人、社会人という区分に入る。現在五時手前のタイミングということは学校が終わったのだろう。万騎くんの一言に続いて燈やユズくんもトークを始めた。 「声優志望グループ/燈:それな…疲れた」 「声優志望グループ/ユズ:暇だ…」 僕もその二人に倣い即座に携帯のロックを解き返事を返す。 樹「みんなおつかれ…。ユズくん暇なんだ?」 フリック入力は別に遅い方ではないが同年代の女子と比べたら断然遅いほうだ。僕はどちらかというとキーボード入力のほうが早い。 ユズ「そーなんだよ暇」 ユズくんに反応して奏ちゃんが話題を広げてくれる。 奏「学校終わると何していいかわかんないよねー」 それに呼応して燈と万騎が続く。 燈「宿題しなきゃならないのは分かるけど…」 万騎「やりたくない!」 燈「そう、やりたくない!」 ユズ「だから暇。」 そうユズくんがいった時、それに反応して優亜さんがいう。 優亜「じゃあ、みんなで電話しよっか」 声優を目指している僕らは未熟者同士でありながらも時には電話をしてお互いがその場で即興で演技するのを評価してみたりする。それは熟練者が評価するものには程遠いがそれでも切磋琢磨しようと奮闘している。 燈「いいね!」 万騎「したいしたい」 奏「いいねー」 ユズ「やろーぜ」 電話しようという提案にみんな同意を見せる。それは演技をしたいという思いもあったのだろうが、しかしその他にもそれぞれみんなと話したいという思いも少なからず含まれているのであろう。 樹「じゃあ電話しよ」 僕のはそれをトークに打ち込むと右上に表示されている電話のマークをタップする。程無くしてみんなが入ってくる。
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