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その日、私は高岡さんと二人で初めて夕食に行った。
彼はランドマークタワーの高層階にある高級レストランを予約してくれた。
窓から眺める夜景がとても素晴らしいそのレストランで、私達は本当に美味しい料理に舌鼓を打った。
食事も終盤になり、少しお酒も入って、私はとんでも無い事を口走っていた。
「高岡さん。私、貴方の事、好きになったみたい・・ もし、誰ともお付き合いしている人が居ないなら、私とお付き合いして頂けますか?」
それを聞いた彼は首を傾げ、意地悪そうに言った。
「それは、僕がサッカー部の先輩に似ているから?」
私は、えっ?と思った。
「桜が満開の卒業式の日に告白したよね」
私の動きが止まった。手に持ったグラスをテーブルにユックリ置く。
「何で、知っているの? やっぱり・・ 貴方は・・ 高岡・・せんぱい・・?」
彼がゆっくり首を振る。
「違うって言ったよね。僕は高岡義信、彼は高岡義樹だから・・。イニシャルは同じYTだけど・・」
私は目を見開いた。
「えっ? どうして先輩の名前を・・ それに義信って・・ えっ!? 貴方、義信君!?」
「そう、高岡先輩は、僕の兄貴」
私は驚いた様に彼をを見つめる。彼があの義信君?? でも・・
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