第1章 緑の夏

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小説や漫画では、主人公とヒロインが恋に落ちるのは鉄則で必然的なことだ。 どれだけ仲が悪くても、嫌っていても、最終回になれば互いが恋愛感情を持つことは良くある事だ。 けれど、その間柄を引き裂こうとするイベントとして、ヒロインのライバルも必ず現れるものだ。 容姿も性格も体型も力量も何もかもヒロインより勝っているはずなのに、不思議なことに主人公はヒロインに恋をする。 ヒロインにある何かが、ヒロインのライバルにはなかったのだ。 その差は何なのか。 おそらく、知ることは難しい。 けれどもし、容姿も性格も体型も力量も何もかも、ヒロインと同じレベルだった場合、それを知るのはとても簡単なこととなる。 主人公を射止めるのはきっと、想いが強い方なのだろう。 だから、俺があいつを好きになることも、きっと必然だったのだと思う。
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