0人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言って頷く俺に「呆れた」と言い残して、給湯室へと去っていく彼女の後姿はそれなりにそそるものはあるが、ここで手を出すわけにはいかない。まだ部長と穴兄弟になるのは早すぎる。
そう、弊部署は会社きっての無能人材のたまり場である。無能、と言ってもそんじょそこらの無能ではない。
昔はバリバリやっていたらしいが、PCでの業務に断固拒絶しており未だに携帯電話すら持たない(持てない)ので、何も仕事が回ってこなくなった部長。短気が過ぎてマトモにコミュニケーションがとれない秘書。社員を全て穴兄妹にして、社内に広げよう兄弟の輪、ということにリソースの90%以上を費やしている女子社員。そして、客に異常なまでのサービス精神旺盛な俺。
いずれもクセモノぞろい。ちなみに、経理横領の常習犯(しかも、社内に仲間を作るのが上手い)課長は折檻部屋で待機中だ。時折悲鳴が聞こえる。
とにもかくにもスーパー無能列伝オールスターズな我々にとって、少々のミスはもはや怖いものでもなんでもない。他にも無能な同僚が何人か集められているが、それぞれが過剰な圧力をかけられて退職を促されている最中だ。
最初のコメントを投稿しよう!