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「そろそろ帰る」
7時間ぶっ通しで俺の過去の建築デザイン資料に目を通していたから疲れたのだろう。
眠たそうに目をこする咲花が可愛くてならない。
咲花が作業台の席で座って読んでるから、俺はデスクトップパソコンをつけて、仕事をしていた。
競合コンペティション用の資料だから、咲花に見られたらまずい。
でも、咲花を見てると、溢れてくるみたいにアイデアが出てくる。
「ゲストルームあるから、そこで仮眠してきたら?」
咲花を帰したくない俺。
「さすがに…、シャワー浴びて着替えたいし、帰る」
咲花がカバンを持って、帰ろうとした。
咲花が持とうとしたカバンを取り上げた俺。
「帰さない。ここにいて欲しい。俺、咲花が好きなんだ。就職してからの1年は営業職に回されて、そんな不甲斐ない俺が情けなくて、それで咲花に見せられる顔なくて、苦しんで、荒れてた。でも、建築デザイン設計士に戻れて、そしたら咲花の事を思い出して、いつも気がついたら咲花の事を考えてた。咲花、2度とあんな事をしない。だから、俺ともう1度付き合って欲しい。結婚して一緒になろう」
咲花は、俺を見つめて、悩んでるようだった。
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