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アイドルみたいにキャピッてるわけでなく、淡々と上品に笑顔を振りまく女子アナに成り切る。
パワポを回してた中津くんがリハーサルの時のわたしと違うのを見て戸惑っていた。
京都で大学修士の学士が、大手ゼネコンのベテラン設計士とデザインだけで勝負したら勝てるわけない。
社内コンペで勝ち上がり、ゼネコン同士の競合に出て、そこで素晴らしいデザインを見て学び、卒なくデザインも勝ちとる。
若さと女性を武器にするのは、男からしたらずるいと思われるかもしれない。
わたしは、あの、きれいな子に寝取られた経験から男という生き物をそういうもんだと思ってる。
見た目が良い女性に弱くて、癒されたらころっと落ちる。
午前中のコンペティションの中でデザインを含めプレゼンも、うちが1番審査員受けが良かった。
昼休憩の中休みになり、見えないようにガッツポーズをし中津くんとランチへ行く。
『普段の葉山さんとプレゼン中津の葉山さん、別人みたいなんですけど…』
社内ではクールビューティーに見えてるらしいわたし。職場には仕事に来てるから、可愛らしさや女らしさなんていらない。
ランチに入ったうどん屋さんでうどんをすすりながら、午前中に出席したゼネコンと発表者の名前を見ていた。
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