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慌ただしい日々
そんな出来事があった後……私の生活は慌ただしいものとなっていた。
貴族社会で生きていくために、マナーレッスンや、ダンスの授業、それに歴史に政治学さらには魔法学と必要最低限の知識を詰め込んでいく。
毎日毎日があっという間に過ぎていく中、私は覚えが速いらしく、皆が驚いていた。
次次にレッスンをこなしていくと、先生たちもどんどん変わっていく。
新しい知識を身に着けることに苦痛はない。
知らない事を理解するという事はとても楽しい事だった。
そうして……そんな忙しい生活の中で、私の記憶から、あの時に出会った彼の存在は薄れていった。
そんなある日の事。
父様の友人である侯爵家が、息子を連れて私の家へと訪れた。
お前も同席を、と父からの命を受け、よそ行きのドレスを着替えさせられ玄関の前で父様と並び立つと、お客様を迎え入れる。
お客様を来客室へと案内し、訪れた友人と息子に父と私は軽く挨拶を済ませるや否や、父はその友人と別室へ行くからと、私たち子供を置いたままに、部屋を出ていってしまった。
そして部屋には私と彼……二人きりとなった。
初対面の彼と向かい合う中、何とも言えない沈黙が部屋を包み込む。
気まずいなぁ……。
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