72人が本棚に入れています
本棚に追加
パパたち早く戻って来てくれないかなぁ……。
そっと視線をあげてみると、少年は整った顔立ちに、サファイアの短髪で前髪が少し目にかかっている。
きっと私と同い年ぐらいだろう彼は……目元は私と似てつり目だが、深いルビーのような輝きをみせる瞳を、私は魅入るように見ていた。
そんな中、彼がこちらの視線に気がつき、頬が赤く染まったかと思うと……なぜかふてくされた様子で私から視線を反らせた。
静寂が部屋に流れ続ける中……耐え切れなくなった私はとりあえず彼に声をかけてみる。
天気の話や、家の事……こちらの質問や、何気ない話に淡々と答えていく彼の様子に、なかなか話が続かない。
とりあえず彼の興味のあるものを探らないと、会話は厳しそうだな……。
探り探りながらも、色々な話題を提供していくうちに、魔術の話をしてみると思った以上の食い付きがあった。
何でも勉強していてよかった、そう実感すると、さっそく昨日習った魔術を話題にあげてみる。
すると想像以上に、魔術にはとても興味があるようで……先ほどまでの素っ気ない返答はなんだったのか、と思うほど、表情豊かに話す姿に、私も楽しくなってくる。
最初のコメントを投稿しよう!