慌ただしい日々

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どれぐらい話していただろうか……二人で魔術について盛り上がっていると、部屋にノックの音が響き、父と友人がもどってきた。 ふと時計に視線を向けると、結構な時間を魔術の話で盛り上がっていたようだ。 和気藹々としている私と彼の姿に、父とその友人は仲良くやってそうでよかったと、安心した表情を浮かべていた。 そろそろ帰ると友人が話すと、私は父と一緒に玄関まで彼らのお見送りへと向かう。 すると少年はモジモジとしながらも、私へと体を向けた。 「俺の事はグレイと呼んでくれ。また来る」 彼はそれだけ言うと、私に背を向け玄関を走り去っていく。 ふふっ、照れたのかな? 少年らしい彼の姿に自然と頬が緩むと、私はまたねーと大きな声で叫びながら、彼らを見送っていった。 そうして私の毎日に、彼と魔術について語り合うことが日常となっていった。 彼は女性が苦手らしく、私との初対面もどうしていいかわからなかったそうだ。 そう照れて答える彼の姿に、胸の奥から何とも言えない感情が湧き上がってくる。 そんな彼と過ごす時間が増える中で、彼の事をたくさん知っていった。 一番驚いたのは、なんと彼は私よりも二つ上だったことだ。 私よりも背の低い彼に年下だろうと勝手に思っていたが……今では私にとってお兄ちゃんのような存在になっていた。     
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