始まりは

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始まりは

まず最初に……これは名門貴族の公爵家に生まれた一人の少女が、悪役令嬢と呼ばれるようになるまでのお話です。 とある日……オギャー、オギャー と元気な産声が響きました。 その場にいた皆は、元気で美しい女の子の存在を確認し、歓喜に満ち溢れた。 その女の子は親の愛情を一心に受け、まっすぐにスクスクと育っていきました。 漆黒の髪は父から、ブラウンの少しつり目は母とそっくりです。 少しお転婆なところはあるけれど、彼女の成長を誰もが見守り、そうして幸せになることを願っていた。 そんな少女の物語。 ************************ そんな私はスクスクと成長し、5歳になる頃に、護衛をつけて父と町へと出かけた。 初めて見る町の風景に、人の多さに、そして活気に満ち溢れた様子に……私は、馬車から身を乗り出して、外の世界を目でおっていった。 みんなとっても楽しそう! 屋敷の中では見ることが出来なかった風景に、ワクワクが止まらなかった。 そんなとき窓の外で一人の男の子が目に映った。 澄んだ青い目を困ったように揺らしながら、ブロンドの髪を靡かせ、顔を左右に振り何かを必死に探している男の子。     
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