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 ふーむと唸り、脳内にマップを広げた。もちろん神の力なんてものではなく、脳の力である。 「喫茶店があるな……」    そう小声でボヤくが、それを茉莉に提案する勇気はなかった。初対面の相手、同性ならまだしも、異性とそんな良い雰囲気の場所には行く勇気がなかった。しかも会話が続く気がしない。 「喫茶店ですか? 私、行ってみたいです」 「ももも、もちろんです。行きつけのがあるんで。あ、少し遠いですけど大丈夫ですか?」 「はい」    ちなみに、まだ三回しか行ったことはない。    街をとぼとぼ歩くこと十分強、目的の喫茶店に到着した。 「お洒落なところですねぇ」 「これぞ喫茶店みたいなところですよね」    あれ、俺なんか普通に喋れてね?  みたいな感じで調子に乗った恭介は木製の扉を開け、エスコートするように茉莉を店の中に入れた。俺、男らしいかもしれない、なんて考えている。    外見、そして内装までよくありそうな、いやお洒落な喫茶店である。    店内に入ると店員が窓側の席へ通してくれた。気分が良くなっている恭介はさも常連ですよという顔をしている。    二人して昼は済ませていたこともあり恭介はホットコーヒー、茉莉はコーヒーにショートケーキを頼んだ。注文する時に恭介がどもったということは言うまでもないだろう。       
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